はじめてのCHU
ドン!!
近くの壁に、押し付けられた。
「…ぃ…いや……」
思ったよりも強い力で、抵抗すら出来ない。
この時、強い視線が感じたが気にしている暇もない。
春岡先輩の整った綺麗な顔が近づいてくる。
でも、私は動じない。
だって、相手が私が想う人じゃないから。
麗じゃ………ないから。
「私は…私は…」
私は、力一杯叫んだ。
「……好きな人としか…キスしないって決めてるんです…!!!だから、止めて!!!………お願い!!」
少し涙ぐむ私。
もうダメだと思って、強く目をつぶった。
が………
唇と唇が重なるか重ならないかと言うところで、動きが止まった。
「…ご…めん…な…さい…」
「いいよ…振られちゃあしょうがねえなぁ。…つーか、たかがキスで泣くとは思わんかった。」
「"たかが"じゃないもん!!先輩は毎日、相手を取っ替え引っ替えして、どうってことないかもだけど、私はファーストキスだってまだなんだもん!!!」