はじめてのCHU
「何か…結局送ってもらっちゃって……ごめんね。ありがと」
もう遅いし麗も疲れてるだろうって思ったから断ったのに……。
「あ〜気にすんな、気にすんな!俺が無理矢理着いてったんだから。じゃ、また明日なっ♪」
もう帰っちゃうの……?
そう思ったけど、素直にバイバイをした。
「うん、明日ね。気をつけてね!ホントにありがとうっ」
「おう!じゃな〜」
自転車で去って行く麗の背中に、何度も何度も。見えなくなるまで手を振り続けた。
゜
。゜
゚
。゚
あれ…?雨……?
さっきまで、雲一つなく晴れてたのに……。
天気予報だって、今日は一日晴れるでしょうって言ってたのに。
麗…大丈夫かな。濡れてないかな……。風邪引かなきゃ良いけど……。
さっきの事で、浮かれている私の晴々とした気持ちとは裏腹に、空にはどんどんと黒い雲が集まり、やがて今夜の天気は大雨にと変わった。
まるでそれが
これから起こる何かを案じているかのように。