はじめてのCHU

麗が私の目を見つめた。


「……そん時は?」

「……そん時は………」

「なぁに?言ってよ。気になるじゃん!!」

「…えっと………」

結局、麗は口を割らなかった。


超気になるんですけど---!!


と、そんなこんなで、練習も終わり、
今日もまた麗に家まで送ってもらった。
そしたら、その別れ際のときに麗がボソッと言った。


「甲子園で優勝したら、お前もらう」

「…ぇ……今、何て……?」

「…えっと……は、ははははぁやく、家、入るんだぞ!!じゃっ!」

暗かったから分かりにくかったけど、多分麗の顔は真っ赤だった。
フルスピードで自転車をとばして去っていく麗の背中を見つめながら、さっきの言葉をリピートしてみた。


『甲子園で優勝したら、お前もらう』





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