はじめてのCHU
私はグラウンドの方を覗いてみた。
そこに、ある姿は…
「美川君?!」
そう。そこには想像もしなかった人物。
美川君がいたのだ。
胸がまた踊りだす。
「おう。りくじゃねーか。…ああ、そういえば家、この近くだったっけか。」
え?よ、呼び捨て???
てか、家の場所まで知ってんの?!
「え…?!うん…まぁ。美川君こそ。どうしてここに…?家近いの??」
「んー…近いっちゃ近いけど。遠いっちゃ遠い。」
「つーか。美川君とかやめて。麗でいい。」
「そ、そう?分かった。」
何この展開ぃ〜〜!!
会って二日も経たないのに、いきなり呼び捨て?!
「ね、ねぇ。美川君……ぁ…。」
キッ
美川君……じゃなくて。
麗に睨まれた。ハハ...
「じゃなくって。麗!!」
「何?」
今度は、満面の笑みを浮かべ返事をしてくれた。
「よく…ここに来るの??」
「あぁ。まあな。」
へぇぇ。それにしては、私は麗の姿を一度も見たことがない。
私が気づいてないだけだったのかな。
「それにここは…………」