はじめてのCHU






その言葉によって、

体が、硬直するように

鉛みたいに


重くなった


声すらも出すことが出来なかった





「複雑骨折だそうよ……全治二ヶ月ですって。………だから………完全に復帰するには、一年は必要だって…。お医者様が…」

「……ぅ………そ……………」

「…あの子……大分頑張ってたみたいだから…疲労が原因らしいんだけど……」



私は、放心状態になった。


疲労が…原因…………?


ああ……
そういえば…麗、

最近、疲れた顔してたかも…



なんで……
なんで気づかなかったんだろう……

しかも、

きっとその疲労は、私のせいなのに。


むやみやたらに、
頑張って甲子園行ってね……連れていってね
なんか言っちゃったから


麗は、優しいから
そんなわがままな私のために、すごくすごく頑張ってくれてた


それなのに、私は……

麗の異変にも気づけず、のこのこ麗のお見舞いになんか来て…


「…り…く…ちゃん…?」





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