はじめてのCHU


私はボロボロ泣き出してしまった

高校生にもなって

みっともない


麗のお母さんはびっくりして私の名前を呼んだ。




「…ごめ……なさい…」


「あ…!…り…りくちゃん……!?」

私は逃げ出してしまった。


走って走って――――



何の宛てもないまま、とにかく走り続けた



もうどんな顔して会えばいいかわかんないよ

私のせいで


麗は

麗は







麗は―――――。










何で―――

どうして―――




もうどうしたらいいんだろう



どうしたら――――









全治二ヶ月………


完全復帰には、約一年



復帰しても、もうあの速い球はなげられないかもしれない。



ううん

きっと投げられない。



速い球どころか
ボール自体投げられないかもしれない











< 93 / 112 >

この作品をシェア

pagetop