幼馴染みはプレーボーイッ!
――「はぁ、はぁ、ヒックっはぁ…ヒックっ」
帰宅部の私は、ちょっと走っただけで息切れした。
体力ないなぁ…私。
でもほんと危なかった。
絶対に侑君の前…というより、侑君の“彼女”の前で泣くのは嫌だった。
だから、私は逃げた――。
…今頃2人はどうしてるんだろうか?
邪魔な私が居なくなったから、イチャイチャ手を繋いだりして帰ってるんだろうか?
私の頭は考える事をやめない。
散々被害妄想して、あとは落ち込む。
本当にそうかも…と思うと更に落ち込む。
そんな事分かりきっているのに嫌な妄想は止まらない…。
私は渡り廊下の端にしゃがみ込み、項垂れた。
もぉ嫌だ。
…帰りたい。
帰って、すぐ寝よう。
もぉ何も考えたくない…。
私は、いつもより重く感じる体を起こし、とぼとぼ歩き出す。
――「凛緒!!」