愛しのりんご君。
坂元は一瞬、驚いた顔をして。
でもすぐに笑顔になって。
「持ってきてるよ。
じゃあ、今日は私が見せるねっ!!」
そんな可愛い事を言ってくれるから、
顔が赤くなるのを、感じると同時に
"期待"と大きくかかれたピンクの風船が、ムクムクと膨らんでいくように感じる。
…ん?待て、
これって、上手く利用すれば、デートの約束とか出来たりして……
なんて、馬鹿なことを考えて。
ダメ元で言ってみる。
「さんきゅっ。
帰り、なんか奢るから。お礼に。」