愛しのりんご君。
男女間の友情ってあるんだ、と、思えたのもりんご君のおかげ。
まぁ、周りからは"カップル"とか言われてたりするけど。
私、違う学校に彼氏いるし。
りんご君はりんご君で好きな子がいるらしいし。
りんご君からもらったティッシュで鼻をかみ終えた私は、紗里の所に戻ろうとターンした。
「あ、坂元っ!!」
瞬間、りんご君に大声で呼び止められた。
「ん−−?」
「数学の教科書持ってきてる??
俺っ、今日忘れちゃって。」
……持ってきた。珍しく。