少女の話
少女は心臓を鷲掴みされるほど体が震える音楽に出会った。


そして、自分もこんなにかっこいい歌を作りたいと思い、楽器を買って白紙の譜面に向かった。

出来上がったものは、陳腐で幼稚くさい音楽だった。

それでも少女は音楽を作り続けた。
いつか世界を魅了する音楽をつくりたいと思って。



少女は嘆いた。

なんで私には音楽を作る才能がないんだろう!
絵を描く才能も物語を書く才能も!面白くない!面白くない!面白くない!
私がつくるものは面白くない!私がつくるものはつまらない!




私はもう、何もつくらない!


< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop