虹色DAYs~番外編はいかがですか?~
今まで歩いてた通路の先に誰かいる。
下を向いて長い髪をダランとさせてる女の人だ。
垂れ下った包帯が巻かれた腕をだらんとさせて、黒くくすんだ白いスカートを履いてる。
う、動いた!と思った時にはこっちに向かって何かを叫びながら走ってきてる!
逃げなきゃ!
走ろうとしたんだけど、ガクンと身体が揺れる。
振り返りたくはなかったんだけど後ろを見て見ると諒ちゃんも八束先輩も逃げようとする様子は全くなくて…。
「すいませーん、次の順路ってここを曲がるんですか?」
…なんで、何でそうなる?
多分走った先に正しい順路があるんだよね?
それに経営者側の人たちだって誰だってここは怖がって走ると思ってるからスタッフさんを走らせてるんだよね?
それを証明するみたいに走ってきた女の人が若干オロオロ気味に走るスピードを減速させてるもん。
目が段々慣れてきた。
心なしかお化け役のスタッフさんを見てる二人の顔はすごく楽しそうだった。
あぁ、そういう事か。それが目的だったんだね。
今回ココに入った別の目的が分かった気がする。