虹色DAYs~番外編はいかがですか?~
多分こんな出来事は前代未聞だったんだろうな。
あれから、どう対処すればいいのか分からないスタッフさんに『こちらです』と誘導されながら次に進んだ。
それからも案の定襲いかかるお化けをもろともせず、この二人はのらりくらり。
さっきも手術台から飛び起きたお化けに「すみません禁止なのは重々承知なんですけど、今日来れなかった友達に見せてやりたいので写真を一枚撮りたいのですが…」って八束先輩が質問してた。
多分双葉先輩になんだろうけど、そんなお土産はいらない気がする。
ここでも『一応禁止事項なので』と困った様子のお化けに断られてたけど。
お化け屋敷もいよいよラスト。
終盤に近づくにつれ最初の不安はいつの間にやらスタッフさんたちへの同情に変わってた。
お化けに同情するようなお化け屋敷なんて今まであっただろうか、いや、ない。…なんか漢文みたいになっちゃったな。
その時首筋にヒヤッとするものが…。
振り向いてみるといつの間にそこにいたのやら、手術着を着たお医者さんがどアップで目の前にいる。
こ、怖い!!
「あー…後ろから紐で吊下げたコンニャクを当てたんだねぇ。」
「そうだったんだ?僕には当たらなかったんだけど」
「先輩、今携帯落して丁度拾ってたからじゃないですか?柚木にはクリーンヒットしたみたいですけど。」
最後の最後までこの二人が怖がることはないんだね。
冷静にお化け屋敷の分析してるもん。
「あ、でも今のコンニャク戦法は良かったんじゃないですか?ちょっとヒヤッとしましたよ」
出口の扉を開けながらニッコリとスタッフさんに感想を言う諒ちゃん。
外の光に照らされたスタッフさんの顔はとても切なげだった気がする。
「チョキ」end