虹色DAYs~番外編はいかがですか?~


運よく親戚から大きなカボチャを貰えたりと、着々と準備を進め今日に至る。

ちなみに配役はあたしがかの有名なカボチャのジャック・オー・ランタンで、陽が尻尾と耳を生やした魔女だ。


彼女曰く『だって魔女と狼男、どっちもやりたいんだもん。』とのこと。
性別の壁、越えてるよ。それ。

しかも彼女が言うには「狼の脚の裏の肉球に力を入れてみました!プニプニしてて気持ち良さそうだよね~。」

猫の肉球と間違えてない?って程柔らかいそれは、何処で手に入れて来たのか入手ルートは不明だがシリコン製らしい。

正味小一時間程で終わってしまうこのイベントにここまでのクオリティを出してしまう彼女は恐らく天才であり、「馬」と「鹿」を組合せた言葉が当て嵌まる人物でもあるのだろう。



思い返せばあたしもあたしでカボチャの中身をくり抜いたり、衣装を作ったりで徹夜が続いて
「あたし達、何がしたくてこんなに必死なんだっけ?」
と迷子になったりもしたけれど、随分とクオリティを追求してしまった。

自分を追い込みながらも何とか今日の朝に完成したものの
結局あたし達沖田姉妹は総合的に考えると先程の「うましか」なのだろう。

ほんの少し悲しくなった。



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