君が、好き…?(短)
バカって言われても、なんでって言われても、好きじゃないんだからしょうがないじゃないか。
浩くんがやったことは、余計なお世話なんだ。
「フったの?」
「だって好きじゃないもん」
「……ユナって本気でおばかさんだよね」
「はぁ?」
意味が分からないと浩くんを見上げると、脱力してこっちを見下ろす視線と交わった。
「あいつといるとイライラするしムカムカするもん。私、嫌いだよ、あいつのこと」
言ってる内になぜか声がフェードアウトしていく。なんでだ。自分でも謎。
「嫌いって顔してないけど?」
「それってどんな顔よ」
フイッと窓の外に視線を逸らすと、ちょうどグラウンドの真ん中辺りに悠を見つけてしまった。
今日も知らない女の子と楽しそうにお喋りしながら歩いてる。
……ほら、あいつを見ると決まってイライラしてくるじゃないか。
私に好きとか言っときながら、次の日には女の子と仲良く登校してくるなんて、サイテーだ。
無意識に悠を目で追っていたら一瞬だけ視線が合った気がしてカーテンを閉めた。
ビックリしすぎて胸が鳴る。
浩くんも私がいきなりカーテンを閉めたもんだから、ギャーギャー言ってた声を止めた。