君が、好き…?(短)





「言ってることとやってることが、ばらばらな気がするんだけど」


微笑いながら当たり前みたいに隣に座ってくる悠と距離を取って、背中を向けた。


気まずくて死にそう。


さっきまで怒っていたはずの悠は、今はなぜかすごく機嫌よさそうで。


……むかつく。


「今日の女の子は、たまたま声かけられては靴箱まで一緒に行っただけだから」

「……ふーん」

「ゆんは?なんで浩介にあんなこと言ったの?」

「そう、思ったから」

「浩介のこと、本気なの?」


私が黙るとぎしっとベンチが鳴って、隣にあった温もりがなくなった。


「俺さ、今回のテスト頑張る」


そっぽ向いていた私の目の前に回ってきて芝生にしゃがんだ悠の、突然の宣言に頭を傾ける。


いまいち掴めない悠のペースが苦手だ。

いっつも、いつの間にかずるずる引き込まれてしまう。





< 19 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop