君が、好き…?(短)
「言ってることとやってることが、ばらばらな気がするんだけど」
微笑いながら当たり前みたいに隣に座ってくる悠と距離を取って、背中を向けた。
気まずくて死にそう。
さっきまで怒っていたはずの悠は、今はなぜかすごく機嫌よさそうで。
……むかつく。
「今日の女の子は、たまたま声かけられては靴箱まで一緒に行っただけだから」
「……ふーん」
「ゆんは?なんで浩介にあんなこと言ったの?」
「そう、思ったから」
「浩介のこと、本気なの?」
私が黙るとぎしっとベンチが鳴って、隣にあった温もりがなくなった。
「俺さ、今回のテスト頑張る」
そっぽ向いていた私の目の前に回ってきて芝生にしゃがんだ悠の、突然の宣言に頭を傾ける。
いまいち掴めない悠のペースが苦手だ。
いっつも、いつの間にかずるずる引き込まれてしまう。