君が、好き…?(短)
「頑張る、から……平均で90点以上採れたら、俺と付き合って」
「…………バッカみたい」
「俺と付き合って。ね?」
「あんたがどんなに頑張っても、採れる訳ないじゃん、そんな高得点」
平均70点前後のくせに。前回のテストで1枚も90点台なんてなかったくせに。
残り一週間で何が出来るって言うんだ。……バカじゃん。
それでも、悠があんまり真剣な顔してるもんだから、押し切られるみたいに仕方なく頷いた。
パッと明るい笑顔を作ったこいつに、一瞬でも胸が鳴ったことは全力で無視して。
「……寒い、戻る」
「ね、手ぇ繋いだらちょっと暖かくなるかもよ?」
「喋るな」
悠のパーカーを肩にかけ直して足早に校舎の中に戻った。
1限は担任の授業だから、少しくらい遅れても良いかと思いながら2人で始業のチャイムを聞いた。