君が、好き…?(短)
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この一週間、私や浩くんが悠に勉強を教えることは一度もなかった。
朝は一番で教室にいて、放課後はすごいスピードで帰って行った。
休憩中も一言も喋らないでテキストやプリントとにらめっこ。昼休憩は先生捕まえて質問責めにしてたとか。
「……やべっ、緊張してきた」
「まぁ、今回の英語は90くらいだったら楽勝で採れてるだろ」
「プレッシャー!」
結果発表の日。
全教科の点数が乗った薄っぺらな紙を握りしめて固くなる悠をおもちゃにして笑う浩くん。
教室のそこかしこから安堵の声や悲鳴が聞こえる中、悠はなかなか紙を捲ろうとしない。
「……ね、早く帰りたいんだけど」
正直、テスト期間中はあまり寝てないから寝不足なんだ。
一刻も早くベッドに入りたい一心で悠を促すと、眉を下げてそろそろと手の中の白を返した。