君が、好き…?(短)
「侑奈~、」
「お前がそうやって呼ぶな!」
「は?そんなことハルくんに言われる筋合いないじゃん。ねー、侑奈」
「こーうーすーけーっ」
春が来て、学校中がピンクで染まっていた。
いつかのベンチにもたくさんの花びらが積もって、暖かな陽の光を浴びている。
私達は揃って無事に進級でき、浩くんは3年から理数系のクラスに進んだ。私と悠は文系。今年も同じクラスだった。
「侑奈、今日の昼は屋上で食べようぜ。天気良いし」
「そうだねー」
「侑奈、今日も一緒に帰ろ」
「あんたが“侑奈”って呼ぶな」
「不公平だーっ!」
毎日毎日、それほど変わらない会話をしながら校舎に入る。
目立った頭が3つ並んで廊下に悠のアホ声が響いて、笑って怒って呆れて。
この2人のおかげで、今年も楽しく過ごしていける気がするよ。