君が、好き…?(短)
浩くんだって、見た目はこんなだけど頭は良いのだ。
とくに英語は、ネイティブの先生と普通に会話が出来てしまうほど。しかも英会話なんかに行ってるわけじゃないのに。
「まだ寝てんの?このバカ」
「……うん。もう私、帰っていいかなぁ」
問題を解き終わって顔を上げた浩くんの視線の先。
机にほっぺたつけて、気持ちよさそうな寝息をたてているのはあいつ。顔と机の間でやりかけのプリントが皺になっている。
委員会の集まりで30分くらい目を離した隙に、ぐっすり眠ってしまっていた。
「起きねぇの?」
「感心するくらいよく寝てる」
「……進級できんのかね、この子は」
「どうやって2年に上がってきたのかも疑問だよね」
「ははっ、確かに」
……浩くんみたいに笑えたらどんなに楽だろう。
「専属教師は大変だな」
「本っ当、勘弁してほしいよ」