君が、好き…?(短)
「彼氏作んないの?せっかくモテるのにもったいない」
「興味ないし、」
「とか言ってー、好きな人いるでしょ」
どこからその自信が出てくるのか分からない。
「俺、知ってるよ?」
私が知らないことを、なんで浩くんが知ってるんだ。謎すぎるよ。
何を考えてるのか分からない。
たまに、浩くんが怖くなることがある。
「俺のこと好きでしょ」
「……はっ?」
--ガタッ
音がしたと思ったらすぐ近くに浩くんの笑顔があった。
私の影に埋もれて彼の表情は薄く隠れていて。読み取れない……本気か、冗談(うそ)か。
「こらこらこら、」
まだ眠っている悠にチラリと目をやって、私は小声で浩くんを制止する。
起きるな、と強く願った自分に違和感を感じながら、必死に目の前の彼の肩を押す。