とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~


派手な音を立ててテーブルを破壊しながら倒れる男を唖然と眺める右京…


「…ばか…」

「ヤバ…やっちゃった…」


そうなると相手も俄然やる気モード。


『…んの野郎!』


転がっていた椅子を振り上げた男に舌打ちをして軽く身をよじった。


『悪く思うなよ!』


右京は長い足で男のこめかみ目掛けて回し蹴りをお見舞いした。


あまりに鮮やかに決まったそれに見とれていた虎太郎は後ろから首を締められた。


『後ろからは…卑怯じゃないの!?』


少し反動をつけて背中にへばり付く男を背負い投げると、床に叩きつけて背中をふみつけた。


『んじゃ、俺達はこれで~』


可愛らしくウインクすると虎太郎は南京錠のかかったドアの脇に張り付いた。


「右京!カギ!」


その声に振り向いた右京はドアに手をかざすと錠前とノブが軽く爆発した。


「カギはいらねーよ!」


あっという間に脱出に成功すると、薄暗い夜の街に姿を消したのだった。



驚いた事に軟禁されたのはsnakeから1ブロック先の路地裏だった。


とりあえずsnakeで一杯飲んで落ち着きを取り戻した。


『クロウとヒューガじゃないか!』


ビールを片手に振り返るとマイクが嬉しそうに近寄って来るのが見えた。

突然知った顔に出会いちょっとホッとし、仲間達と騒いでから寮に戻った。


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