とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
一時帰国
右京の朝はご存知の通り隣人の悪戯によって起きる所から始まる。
休日だというのに早朝から騒音に驚いて勢いよく上半身を起こす。
アランの布団の上で踊り狂うマイケルを見てげんなりした。
『…今日のなんだ…』
『“Saturday night fever”だ!』
ラジカセを肩に担いだジェイクに『ノリが悪い』と何故かダメ出しされた。
問答無用で追い出し、再び布団に倒れ込んだ。
アイツらなんであんな元気なんだ…
アランはまた上手いこと逃げ出していることにもちょっと腹が立った。
「…たまには起こしてくれてもいいじゃないか…」
マイケル達の悪戯はアランの指示なんじゃないかと疑いたくなった。
結局目が覚めてしまった右京はジャージに着替えてジョギングに行く事にした。
右京は寮の前で軽くストレッチをするとiPodを聞きながら走り出した。
ジョギングがてらP2に行こうと思い立って、いつもと違うコースを走った。
ここしばらくは変わった事は起きていない。
あの時、右京の顔を見て強欲の悪魔は蒼白になり、観念したように大人しくなった。。
そんなマモンの首根っこを掴んでニックのクルーザーまて戻った。
ニックは初めて見る悪魔に興味津々だった。
『…この老人がマモン?』
一見ただの老人にしか見えない悪魔にニックは驚いた様だった。