とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
アランは何かをPCに打ち込みながら『そう言えば…』と右京に話し掛けた。
『年末は日本だって?』
『ああ。マイクとジェイまで来るらしい…』
右京は冷蔵庫から自分のミネラルウォーターを取り出して飲みながら答えた。
『でも虎太郎は残るらしいぜ?』
『ほぅ…どうしてと聞くのは野暮かな?』
『…多分…』
そう言うと二人はニヤリと笑ったのだった。
その頃、虎太郎は思いっ切りくしゃみをすると布団から這い出した。
『…誰かが俺の噂をしてる…』
そう言うとベットで布団にくるまるリサに笑われた。
『なにそれ…お伽話?』
『日本ではそう言うんだよ…』
『私に言わせたら、いつまでもそんな格好してるからだと思うわよ?』
虎太郎はちょっと恥ずかしそうに下着一枚で頭を掻きながら『仰る通りです』と答えた。
リサは着替える虎太郎を眺めながら『可愛い』と独り言を呟いた。
『何か言った?』と聞く彼に『別に』と答えると自分も布団から出て服に着替えた。
その後、遅れてP2に来た虎太郎は右京とアランに散々からかわれたのだった。