とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
ゆっくり視線を俺に戻し、アランは片眉を軽く上げからかう様に首を傾げてみせた。
『コレは?』
『…さあ~…』
『では俺が当ててみよう。』
アランは再び眼鏡をかけると右京に顔を近付けた。
『クロウ。君はもしかして…』
右京はアランの目を見つめたまま思考を巡らせた。
アランは敵か?…それとも味方か?
『…君達はサイキッカーなのかい?』
…はぁ?なんだって?
予想外のアランの言葉に右京は思わず吹き出した。
『ククク…まさか…バレるとは思わなかったよ。』
『やっぱり!』
いつも冷静なアランが興奮気味に右京の肩を掴んで目を輝かせた。
『なぁクロウ。力を貸してくれないか?』
『あ~…アラン?君は何をしようとしてるんだい?』
『俺は“世の中にはびこる悪”を消し去るんだ!』
悪を消し去る…か。
『もうひとつ教えくれ。
君の言う“悪”とは何だ?人間か?』
アランはその質問に少し躊躇したが、意を決したように言葉を発した。
『俺が言う“悪”は…“悪魔”だよ…』
それを聞いて右京はニヤリと笑って頷いた。
『オーケー、アラン。
気に入ったよ。力を貸そう。』
その返事にアランは満面の笑みを浮かべた。
『ありがとう、クロウ!
秘密結社“P2”へようこそ!』