とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
「そのロザリオは対でね…もう一つあるんだ。」
「…なんだって?」
あからさまに嫌そうな顔の右京にクリスは吹き出した。
「右京、お前面白いくらいストレートだな。」
そう言いながらクリスは何かを投げて寄越した。
「それが対のロザリオだ。
チェーンが無くて売り物にならないからやるよ。」
先ほどのロザリオ同様に少し温かい…
「いいのか?これも年代物だろ?」
「いいさ。その方がロザリオも喜ぶ。」
そう言うクリスに「ありがとう」と微笑むと右京は店を後にした。
右京は帰り道にそのロザリオに革紐を通してチョーカーにすると首に付けた。
やっぱり温かい…
不思議なロザリオに首を傾げながらも、今度はちゃんとプレゼントを用意出来て右京はホッと胸をなで下ろしたのだった。