とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
そして右京と虎太郎は秘密結社“P2”のメンバーとなった。
アランの集めた仲間は本人を含め5人、そこに2人が加わって7人だ。
かなり慎重に勧誘していると言うだけあって、少人数で活動していた。
ただ、悪魔相手に戦いを挑むのは人間にとって無謀とも言える。
右京達が加わった事で『ようやく突破口が開けた』とアランは喜んでいた。
後日“P2”のメンバーを紹介され初めて顔を合わせた。
『新メンバーのクロウとヒューガだ。
彼らはには“P2”待望の特攻を担当してもらう事になった。
ヒューガは電子工学の知識もある。
先日のハッキング事件も彼らの仕業だ。
ロイはこの前会ったね?』
ロイと呼ばれた男は虎太郎が吹き飛ばした相手だった。
気まずそうな顔の二人はしばし言葉を選ぶように無言になった。
『あ~…っと…あの時は悪かったな。』
そう先に口を開いたのは虎太郎だった。
ロイは頭を掻きながら、『俺もすまなかった』と謝り握手を交わした。
『俺は主に情報分析を担当している。
ヒューガとはおそらく共通分野になるはずだ。』
そう言うと右京にも手を差し出した。
その手を握り返し『悪かったな』と頬を指差した。
『気にすんな。慣れてる。』
右京は口角を上げて短くそう言った。