とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
目立つ奴らと忍の不安
そして数日後…“ヤツら”がやって来た。
空港で右京はマイケルとジェイクを見つけて手を挙げると、二人は満面の笑みを浮かべた。
ハグを交わして『長旅お疲れさん』とねぎらった。
『添乗員が可愛かったから楽しかったよ!』
『ああ、マイク30分置きに呼んでたしな!』
『さすがに笑顔が怖かったな!』
そんな二人に右京は呆れて何も言えなかった。
その日、半日休を取ってくれた叔父が家まで連れて行ってくれた。
『叔父さん、お世話になります!』
『ようこそ日本へ!
私はまだ仕事があるから会社にすぐ戻るけど、ゆっくりするといいよ。』
車に乗ると外の景色を見て『キモノを着てる人がいない』と呟くイギリス人に右京は少し笑った。
『ワォ…信じらんない…』
『まさしく“日本”だ!』
右京の家の前で感動する二人を『いいから早く来い』と招き入れた。
「ただいまー」
『タダイマー!…“タダイマ”ってなんだ?』
「おかえり、右京!」
出迎えた忍にマイケルとジェイクは大きな声で『シノブ!!』と叫んだ。
『クロウ、シノブだろ!?』
『なんてキュートなんだ!』
『いちいちうるせーな…
邪魔だから上がれ。
…靴脱ぐんだぞ。』
日本の風習ひとつひとつに感激する二人を忍は楽しそうに見ていた。