とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
忍は居間に向かう二人に思い出したように『気を付けて』と声をかけた。
歩きながら振り返ったジェイクは居間の入口で思いっ切り頭をぶつけた。
『そうそう、気をつけろよ?天井低いから…』
『クロウ、おせーよ!!』
それを見て笑うマイケルも入口で頭をぶつけた。
『ぶっ…知っててぶつかる方がアホだろ~』
『いや、二人とも充分アホだよ。』
『…予想以上に低かった…』
その様子にキッチンにいた叔母もお腹を抱えて笑っていた。
『マイケルとジェイクだったわね。
右京の叔母の“静”よ。』
叔母は二人にそう言うとお茶を入れた。
緑茶を『苦い苦い』と言いながらジェイクは嬉しそうに飲んだ。
『シズカとシノブと…クロウの叔父さんなんてった?』
『“京助”』
『そうだ、“キョースケ”!』
「あとはじじぃだな…」
『ジジ?』
話を聞いてた忍はクスクス笑いながら『ジジじゃないわ、“オジーチャン”よ。』と教えた。
「右京、おじいちゃんに紹介するついでに道場も見せてあげたら?」
「あ~それいいかもな。」
右京はマイケルとジェイクに『いいものを見せてやるよ』と言って道場へと連れて行った。