とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
師範の重い一撃をなぎ払うが素早く次の一撃を繰り出され、右京ちょっと体制を崩した。
そこを狙って首元に突きが来るのがわかり、紙一重で避ける。
空を切ったその太刀はそのまま弧を描く様に右京の足を払った。
背中から床に叩きつけられ右京の腹を踏みつけた師範が、木刀を真上から突き立てようとしているのが見えた。
「なっ…!?」
右京は足を振り上げて師範を蹴り飛ばした。
「あっぶ…殺す気か!」
「ふん!こんなもんで貴様が死ぬとは思っとらんわ!」
そのあまりの迫力に一瞬言葉を失ったマイケルとジェイクは顔を見合わせると『凄すぎる!』と叫んだ。
『マスター・ヨーダ、強ええ!!』
『ヨーダじゃねー!ありゃーモンスターだよ!』
悔しそうな右京に『ルーク大丈夫か?』と声をかけるマイケルを半眼で睨んだ。
師範はカッカッカッと満足そうに高笑いをした。
「客人に今日はご馳走だぞと言っとけ。」
そう言うと師範は上機嫌で道場を出て行った。