とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~





マイケルとジェイクは『畳で寝たい』と言うので下の階の和室に部屋を用意した。



翌日、忍は年内最後のバイトだと言って出掛けた。


右京は二人と観光に行く事になった。


『何が見たい?』

『ゲイシャ!』

『芸者は無理かもな…
“浅草”でも行ってみるか…』



芸者が見れなくて残念がっていたが、浅草ではしゃぎ捲る二人を見て右京はホッとした。


うどん屋でうどんを食べながら箸を練習する二人に店主も笑っていた。


「外国人のにーちゃん頑張るね~」

「初めての日本なんだよ。」

「フォークもあるぞ?」


店主が二人にフォークを出したが『no thank you』と言って何とかうどんを完食した。


『ウドン、旨かった!』

『カレーうどんも旨いから今度食わせてやるよ。』


喜ぶ二人を連れてお土産屋を回ると扇子やら提灯を買ってご機嫌だった。


夕方忍から電話が来て時間がもう6時を過ぎていたのに気付いた。


axelで落ち合う約束をすると右京達も浅草を後にした。






忍は右京との電話が終わるとaxelに向かって歩き出した。


「忍ちゃん、帰るの?」

「堤くん。これから彼氏と待ち合わせよ。」


それを聞いて堤は身を乗り出した。


「あの彼氏!?…俺も行っていいかな…」

「いいけど…右京は友達も一緒だよ?」

「会ったらすぐ帰るよ。」


そう言って嬉しそうな様子の堤に首を傾げたが、一緒にaxelに行く事になった。


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