とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
axelのカウンター席に座るとガクは忍に「いらっしゃい」と微笑んだ。
「お前、また来たのか…」
「忍ちゃんの彼氏を見に来ました。」
キョロキョロとフロアを見渡す堤に「まだ来てねーよ」とガクは言った。
「今イギリスの友達が二人来てるから、入って来たら絶対目立つわ…」
「ほぅ…楽しみだ!」
しばらくすると入口付近が騒がしくなった。
「来た来た。…うわ…目立ち過ぎ…」
さすがの忍もちょっと怯む程の3人は忍に気付いて手を振った。
『シノブ!』
マイケルは忍に駆け寄ると抱き付いた。
『こら、マイク!俺の忍だ、離れろ!』
『また怒る…可愛い顔が台無しじゃないか…』
『ほっとけ!』
右京は忍をマイケルから引き離して自分の胸に閉じ込めた。
『クラブじゃねーか!』
右京はガクに「よぉ」と言うとビールを注文した。
「まだ未成年だろ?」
「18超えたら大人なんだとよ。
紹介するよ。黒いのがジェイクで金髪がマイケルだ。」
『hi』と言って手を上げて挨拶をする二人に『Welcome』とガクは微笑んだ。
「浅草どうだった?」
「行って大正解。デカい二人が暴走して大変だった。」
「ふふ…お疲れさま。」
右京はありがとうと言いながら忍の耳元にキスをした。
忍を隣の席に座らせると、そこに居た男と目が合った。