とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
「忍の知り合い?」
「ああ…バイト先の堤くん。」
「“堤”…ああ!!てめーか!」
立ち上がる右京に堤も「はい!!」と立ち上がった。
「今日は右京さんに会いたくて待たせてもらいました!」
「…俺に?何の用?まさか…宣戦布告!?」
掴みかかりそうな勢いの右京にジェイクは『落ち着け!』と抑え込んだ。
『まだ子供じゃないか!クロウ大人気ないだろ…』
『…ジェイ、コイツはこれでも子供じゃないと思うよ?』
180を超える集団に囲まれた堤は直立不動になった。
じーっと堤を見てジェイクは『いや、子供だ』と言い切った。
『コイツだよ、忍に手を出そうとしてたのは!』
『この坊やが…?』
爆笑する二人は堤の肩に手を回すと『大人になるまで待て』と英語で諭した。
『えっと…ジェイク…彼は22歳なんだけど…』
忍が片言の英語でそう言うと『なんだって!?』と驚いた。
右京はその様子を見ていたら怒るのも馬鹿らしくなった。
「まぁいいや。…で?なんで俺に会いたかったの?」
「まえに右京さんの噂を聞いて…」
“噂”と言う単語に右京は眉を寄せた。
「ジンヤ君とゴウさんになんか聞いたみたいよ?」
「…何を言いやがった…」
「あの…ファンなんです!」
ずっと黙って聞いていたガクがそれを聞いて吹き出した。