とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
あからさまに嫌そうな顔をする右京に忍もクスクスと笑った。
「写真見せて貰いました!
実物の方が何倍もかっこいいです!」
「あっそう…でも俺は忍のものだし…」
そう言って忍を膝に乗せてぎゅっと抱き締めた。
『クロウ、本当にストレートだったんだな…』
『まだ疑ってたのかよ!』
『だってそうやって愛情表現してるの初めて見たし…』
『あの家でやったら殺される…』
右京は忍に「だよな~?忍~」と言うと忍は首を傾げた。
「黒崎さん!と…デカっ!…誰っすか!?」
「ようジンヤ。マイケルとジェイクだ。」
「へーい!」とハイタッチを交わすと何故かジンヤとデカい二人は意気投合していた。
「何買ったんすか?あー扇子!
“浅草”行ってきたんすか?」
『“アサクサ”楽しかったよ!』
「見るとこいっぱいあるから!人力車乗りましたか?」
『“ジンリキシャ”ってなんだ?ゲイシャの仲間か?』
「芸者じゃないっすよ!人力車ってのは~」
傍観していた右京も「すごいな…」と呟いた。
「英会話出来ないのに会話が成立してるのが不思議ね…」
「ジンヤは人懐っこいからな…」
ガクと忍の会話に右京も頷いた。
「そういえばゴウは?」
「今日は休みだ。って事で4番テーブルのオーダーだ。」
ガクは右京にオーダー表を渡すと顎でカウンターに入るよう合図した。
「…この店はいつから客をこき使う様になったんだ?」
溜め息を着いて立ち上がる右京を忍はニコニコしながら眺めた。