とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
そんな訳もあり、キャンパス内で“P2”の話をする時も気をつけて話さないとならないのだ。
隣に座るアランは頬杖をつきながら右京を見ると、ニコニコしながら話をした。
『でもまぁ、俺の目には狂いはない。
クロウの事だから“失敗”はしてないだろ?』
『ちょっと聞いてた話と違ったけど、結論から言えば“完遂”だ。』
『ほぅ…詳しく聞きたいね。
今夜付き合えるかい?』
『今夜はジェイに拉致される予定~』
『あー…そうか、明日は休みだったね。』
『虎太郎がアランに話すと思うぜ?』
その言葉にアランは満足そうに微笑んだ。
ランチタイムになると誰が言い出したでもなく、自然と仲間が集まる。
カフェテリアに入ろうと扉に手をかけたところで『クロウ!』と声をかけられた。
『やぁサラ。』
『レポート終わった?』
『なんとか。サラは?』
『まだなのよ!ヤバいよね~』
そんなたわいもない会話をしながら扉を開けてサラを促した。
こっちに来てから身につけたレディーファーストも、最初の頃のぎこちなさも消えて自然に出来るようになった。
好きな女には自然に出来ても、なんとも思ってない相手にとなると意識しないと出来ないのだと気付いた。