とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
「…ホント目立つわね…」
買い物中のハイテンションな外国人2人と右京を少し後ろから眺めていた忍が呟くと、三人が振り向いた。
「何か言った?」
「三人並ぶと余計目立つって言ったのよ。」
「そうか?」
右京はあまり気にもしない様子で首を傾げた。
英語で会話する三人はどうみても観光客のようで、右京まで外国人に見える。
こうやって右京を離れた位置から見る事はめったにない為、忍はしばし観察していて気付いた事があった。
…海外のモデルみたいかも…
金髪で長身のマイケルは性格に多少問題はあるが意外と美形だし、ジェイクも顔のパーツはかわいいがスタイルが良く、黒人の黒い肌は引き締まって見える。
更に右京は独特の銀髪を後ろに流し、クリスマスに忍があげたPOLICEのサングラスをかけて行き交う人々の注目を集めている。
あちこちから「ハリウッド俳優か?」などと噂する声すら聞こえて来て、忍は近付き辛くなってしまった。
そんな忍の心中を知ってか知らずか、右京がツカツカとこっちに近付いて来るのを見て一瞬身構えた。
「どうした?」
「…なっ…なんでもない…です…」
「ぷっ…なんで敬語なの?」
笑う自分の彼氏をカッコイいなんて思ってしまう。