とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
身近過ぎて改めて意識した事無かったが、実は凄いイケメンなんだったと思い知らされた。
…昔はよく後をつけられたり、突然知らない人に声をかけられたりという事があったって言ってたっけ…
忍に見つめられて右京はちょっと不審そうな顔をした。
「…自分の彼氏に見とれてんの?」
「…なっなにそれ…ナルシスト?」
見透かされてついまた可愛くない台詞を口にして、忍は内心自己嫌悪した。
「照れちゃって…忍、可愛い。」
自然な動作でちょっと身を屈めて耳元にキスをすると、右京は忍の手を引いて歩き出した。
…どうして普通にそんな事出来るのかしら…
忍の「好き」には真っ赤になるくせに、人前で普通にキスする右京が理解出来なかった。
『今日のシノブは勢いがないねぇ…』
『マイクに朝邪魔されたからじゃないか?』
『まさか!クロウじゃあるないし…』
『俺じゃなくても普通アレは迷惑だと思う…』
早口な英会話でヒアリング出来なかった忍は三人をキョロキョロと見て『ねぇ』と口を開いた。
『聞き取れなかったんだけど…』
『こいつらはロクな事言わないから気にしないでいいよ。』
そう言ってリストを見ながら正月用品をあれこれと買って、帰宅した頃には昼過ぎになっていた。