とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
買って来た荷物を広げて盛り上がる男達を見て忍は大きく息をついた。
「疲れたの?」
「あの三人、目立つでしょ?だから人混みは周りの視線が…」
そう言う忍に母はコロコロと笑いながらサンドイッチをテーブルに置いた。
置いた途端に後ろから手が伸びて、振り返ると右京が美味しそうにタマゴサンドをパクついていた。
「…座って食べたら?」
「はーい」
右京はそう返事してもう一つサンドイッチを手に取ると、忍に微笑んで去って行った。
「妬けちゃうわね~
右京カッコイいもんね~」
「別にそう言う訳じゃ…」
「あら、そうなの?
でも、忍が目立つと右京は妬くわよ。」
「…かもしれない。
私の何がいいのかな…」
「それ、イギリスに居る時右京に聞いたわ。」
母の楽しそうな笑顔に嫌な予感がした。
「聞きたい?」
「…そりゃあ、聞きたいけど…」
「じゃあ、自分で聞くといいわ。」
忍は「だと思った」と呟きながら、サンドイッチに手を伸ばした。
それを口に運びなが、忍は考えた。
逆に私は右京の何が好きなの?
顔?…確かにイケメンだし…
性格?…悪くないわよね…
…って右京に欠点あるのかしら…
「パーフェクト過ぎだわ…」
しばらく悩んで忍は何一つ欠点がない事に気付いた。
強いて言えば、忍に対して異常なまでに心配性な部分くらいだ。