とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~



そう考えると自分は欠点だらけだと忍は思った。


…不釣り合いじゃない?私と右京って…


素直じゃないし、容姿も右京に比べたら大したことないし…

性格も可愛くないし、強情だし…


『…シノブ…顔怖いよ?』


『え?…そ…そう?ちょっと考え事してたから…』


突然現れたマイケルに指摘され、笑ってごまかした。


忍は適当な言い訳をしながら自室に逃げ込んで、ふぅとため息を付いた。

目の前の鏡に映った自分を睨む。


「…ちゃんとお化粧すれば多少は違うかな…」


いつもナチュラルメイクで、まともにお化粧などしたことが無かった。

この前、セリにも指摘されたが気にも止めなかった事を今になって後悔した。


“元がいいんだから、お化粧したら忍は凄く美人よ?

右京君だって彼女が美人になったら喜ぶんじゃない?”


そんなセリの言葉を思い出して、ドレッサーの引き出しを開けると化粧品を取り出した。

忍は意を決して鏡の前に座ると丁寧にお化粧をし始めるのだった。




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