とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
右京はそんな忍にたまらず首筋に舌を這わせた。
「っ…やめてよ…」
「忍が悪い。誘ってるとしか思えない。」
「ちっ…違う!私はただ…」
硬直する忍を見て右京は小さく息を吐いて「okay」と呟いた。
忍から離れて机に座ると長い足を組んだ。
「ちゃんと話そうか。
じゃないと今すぐ襲いたくなる。」
「…またそういう事を…
最近そればっか…」
「あのね~忍。一年近くお預け食らってて俺凄く飢えてるの。
幾ら食べてもお腹いっぱいにならない…」
「…そんな飢えてるならどこかでつまみ食いしそうね…」
「それはない。忍の味を知ってるから…
それしか食べたいと思わないよ。」
クスリと笑う右京に忍は真っ赤な顔で黙ってしまった。
「で?なんで化粧をしてるか、その理由から教えて。」
「…右京と釣り合わないと思って…
お化粧すれば右京と並んでも多少は釣り合うかなって…」
「…そんな理由?
なぁ、忍。人の目って俺達の関係に必要?」
「え?」
「第一、それを言うなら俺もチンピラみたいな容姿をなんとかしないと、忍と釣り合わない事になるぜ?」
右京の言葉に忍はちょっと吹き出した。
「“チンピラ”って…」
「笑うなよ~間違ってないだろ?」
拗ねた子供みたいな顔をした右京に「ゴメン」と小さく謝った。