とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
「右京はさ…完璧なんだよ…何もかもが…」
「…例えば?」
「性格も、容姿も、頭も…全てが完璧過ぎるの…」
「ねぇ、何か忘れてない?
俺、一応元天使なんだけど…
それは当たり前だろ?
…って言っても性格は完璧じゃないか…」
少し笑ってそう言う右京に忍は「完璧だよ…」と呟いた。
「俺から言わせれば、忍の方が完璧だよ。」
「どこが!?性格だって素直じゃないし…」
「ツンデレだろ?それも可愛いよ。」
「そっ…それに見た目だって大したことないし…」
「…ちゃんと鏡見たの?
俺、いつもヒヤヒヤしてんだぜ?
忍に変な虫が付くんじゃないかって。」
「付かないよ…付いても払い落としてるし…」
ベットに座る忍を右京が真っ直ぐ見つめて愛おしいそうに微笑むのを見て、忍は少し恥ずかしくなった。
「愛してるよ…忍。
お前以上の女は居ない。
例えお前が他の奴を好きになったとしても、俺は変わらず忍を愛してると誓うよ。」
きっぱり言い放つ右京に忍は胸がいっぱいになった。
「…そんな恥ずかしいセリフ、なんでスラッと言えるのよ…」
「“完璧”だからじゃね?
あ~泣くな!折角化粧したんだから!」
そう言ってティッシュで忍の目元をそっと抑えると、忍の足元に跪いて右京は優しく微笑んだ。