とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
「こんな言葉で泣いちゃうなんて、忍はそんなに俺が好きなんだ…」
「…言えないよ、そんな恥ずかしい事。」
「言わなくても分かる。
忍の事なら…分かるよ。
忍は俺を愛してるんだ。」
自分が言えないセリフを右京が言ってくれて忍は一旦止まった涙がまた溢れ出した。
「ああ~!泣くなって…っ…」
胸倉を忍に掴まれて驚いた表情の右京に、言葉の代わりにキスをした。
右京は忍の後頭部に手を回し、何度もキスを返した。
「…言葉なんて無くてもちゃんと忍の唇は俺に言ってるよ。」
「…バカ…セリフがクサいわよ…」
二人は額を付けてクスクスと笑い合った。
「…ところで…もう忍の事食べていいかな?」
「ダメ。食べるのは“年越し蕎麦”でしょ?」
「また“お預け”か…
最近ドSの忍が見れな…ぶはっ!!」
思い切り枕を顔面に食らい、尻餅を付いた右京に忍は笑いながら立ち上がった。
「ドSなんて言わないでよ!」
「じゃあ何?ハッキリ“絶倫”って言えばいいの?」
「バカバカバカバカ!!」
真っ赤になって怒る忍に右京はゲラゲラ笑った。
「“絶倫”でも忍はセックスの時、最高に色っぽいよ。」
その言葉に右京は枕と共に廊下まで吹っ飛ぶのだった。