とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
「よぉ、意外と早かったな。」
「まぁな。早めに初詣行く予定。」
マイケルとジェイクは早速ジンヤと仲良く戯れて居るのを見て、右京は忍の隣に腰を下ろした。
しばらくしてどこからか「ウリ坊!」と呼ばれて振り返ると懐かしい仲間の姿に自然と笑みがこぼれた。
「陸!寛二!」
「久しぶりだな!元気か?」
「ああ、相変わらずだよ。
そうだ、イギリスの友達が一緒なんだよ。」
右京はマイケル達に合図して呼ぶと二人に紹介した。
「でけーな…」
『マイク、ジェイ。日本の友人だよ。
なかなか面白いヤツらだから、からかって大丈夫だ。』
『そりゃあいい!』
ニタニタ笑うマイケルは陸の手の甲にキスをして『How do you do?』とわざと熱い視線を送った。
硬直する陸を見てジェイクと右京は必死で笑いをこらえた。
更に追い討ちをかけるようにジェイクは『He is a gay.』なんて言うと陸はみるみるうちに蒼白になった。
思わず右京は吹き出して爆笑するデカい3人に忍は呆れた顔をした。
「陸くん、ウソよ。安心してね?
あんた達もいい加減にしなさい!!」
膨れる忍の肩に腕をまわしながら涙を拭くと右京は「ウケるわ」と陸をみてまた笑った。
「だっ…騙されの、俺!?」
やっと理解した陸と寛二はホッと胸をなで下ろした。