とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
「マイクはイタズラが趣味みたいなもんだから…
この程度は日常的だ。」
「本気っぽかったからびびった~」
「にしてもウリ坊英語ベラベラだな~!」
「一年も居れば喋れるよ。
喋れないと困るし…」
「虎太郎は元気か?
てっきり帰って来ると思ったんだけどなぁ…」
「今頃ヨロシクやってんじゃね?」
右京の言葉に陸と寛二は顔を見合わせてから身を乗り出した。
「なになに!?女!?」
「多分な…」
「見たい!どんな子!?」
「まぁ、綺麗な奴だよ。
…ちょっとクセがあるけど…」
“虎太郎”と言う単語で何の話か理解したマイケルは『Hey!!』と陸と寛二に向かって声をかけた。
『ヒューガの女、見たいか?』
『見たい!写真持ってるのか!?』
『あるぜ!』
マイケルはチラッと俺を見てからデジカメをいじりはじめた。
…まさか…
『おい、マイク。まさかと思うけど、あの写真じゃねーだろうな…』
その言葉にマイケルは答えなかったがニヤリと笑った。
『…おい!!待てって!』
高笑いしながら逃げるマイケルはデジカメをジェイクに放り投げた。
『バカめ!無駄だ、クロウ!』
ジェイクは白い歯を見せて笑うとデジカメの画像を陸と寛二に見せた。