とある堕天使のモノガタリⅡ ～MIDRASH～

デジカメを覗き込んだ陸と寛二は「ええええ!?」と叫び声を上げた。

その大きな声にガクと話していた忍が反応したのに気付いて、寛二は慌ててデジカメを隠した。


うなだれる右京の肩をマイケルは笑いながらバシバシ叩くと、『残念だったな』と呟いた。


「ちょっと待て…ウリ坊、どういう事？」

「…説明するから…」


右京はジェイクを睨みながら『デジカメ貸せ…』と言うと、彼は首をすくめてカメラを手渡した。


仲良く寄り添って眠る自分とリサの写真を右京は削除するとマイケルにカメラを投げて返した。


「なんつーか…あれは最初俺につきまとってた…あれだ…“ストーカー”だ。」

「…“ストーカー”…が虎太郎の彼女なの？」

「え？…いいの!?
虎太郎はそれでいいの!?」

「さぁ…いいんじゃね？」

『あんないい女がストーカーならヒューガも大歓迎だろ！』


陸と寛二はジェイクの言葉に「なるほど」と呟くと右京の肩に手を回した。


「なぁ、ぶっちゃけさぁ…やっちゃった？」

「…なにを？」

「そのストーカーと浮気したの？」

「しねーよ！

…あれは寝ぼけて一瞬忍と間違えたんだよ…」


右京はちょっと恥ずかしそうに言うと顔を逸らした。