とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
要点を掻い摘んで話すとセリは「なるほどね~」と唸った。
「右京君は嘘をつくようなタイプじゃないし、彼の言う事は信じていいと思うわよ?」
「うん…そんな器用な奴じゃないしね。
でも、あんなに完璧過ぎちゃうと不安になるよ。」
「結局ノロケね…」
クスクス笑いながらセリは茶化したが、「でも、わかるかも…」と頷いた。
「けど、忍も随分綺麗になったわよ。」
「お世辞どーも!」
「マジで言ってんのよ!
あんたを紹介しろって何人に言われたか…」
ボヤくセリに「ありがとう」と忍は微笑んだ。
「…にしても目立つわね…」
「目立ちすぎよ。」
忍達に気付いた右京がマイケルから逃げてこっちに向かって来るのがわかった。
右京は忍に甘えるように抱き付くと隣に座った。
「相変わらずね、右京君。」
「アイツ最悪だよ!舌入れやがった!」
真顔で言う右京に忍とセリは爆笑すると「笑い事じゃない!」と口を尖らせた。
「本気で貞操の危機かも…」
「あはは!何言ってんのよ!」
「あの男ならやりかねない!虎太郎だってシャワー室で…」
「ええ!?」
「いや、貞操は無事だったらしいけど…」
忍とセリは“一体何があったんだ?”と思ったが敢えて聞かなかった。