とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
話を聞いてみると三流出版社かと思っていたが、意外にもオカルト方面の書籍や雑誌をいくつも出しているようだった。
「そこも受けてみようかって思ってるの。」
「忍が?オカルト嫌いなのに?
…さては彼氏の影響かしら?」
美鈴は右京がオカルト好きと思っているみたいだ。
敢えて追求されないよに「まぁね」と答えると、イルミナティ出版社の月刊誌を幾つか教えてくれた。
「読んでみたら社風も解ると思うわよ?」
そう言われて納得し、本屋に寄って帰ろと考えながら仕事を始めた。
本屋の雑誌コーナーでイルミナティ出版社の雑誌を探す忍は、一瞬躊躇した。
オカルト向けとは聞いていたけど、心霊とか怖い話とか苦手なんだよね~…
敢えてそれ系を避け、特集内容で選ぶ事にした。
しばらく本棚を見つめていたが、一冊の雑誌に目を留めた。
“カリオストロの謎に迫る!”の見出しに興味を覚えた。
「“月刊ミドラーシュ”か…」
手に取って出版社を確認すると“イルミナティ出版社”の文字を見て、その本を購入する事を決めた。
帰宅後、夕飯も食べずに雑誌の記事にのめり込んだ。
特集のカリオストロ伯爵の詐欺事件の特集も面白かったが、フリーメイソンと呼ばれる秘密結社の謎に迫った記事が一番面白かった。