とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~


会議室と書かれた部屋に通され、リラックスムードで「適当に座って」と言われた。


こんな就職面接初めて…


「早速だけど、履歴書を見せてくれる?」

「はい!」


忍が渡した履歴書を見ると新庄は忍に幾つか質問をした。


「なんでうちに就職を希望したの?」

「ある本を読んだんです。
“グノーシス主義”や“秘密結社”などについて書かれた本でした。

それで貴社に興味が湧いて、“月刊ミドラーシュ”を先日購入しました。

とても興味深く、私もこんな記事を書きたいと思ったんです!」


思わず興奮気味になる忍に新庄は目を見開いた。


「まさか、そんなに熱く語られると思わなかった…

面白かったかい?」

「はい、とても!見解が的を得ていて、考えさせられました。」


新庄は感心したように低く唸った。


「イルミナティ出版社に就職希望で来る若い人は、大体怪奇現象やら未確認飛行物体やらに興味を持って“楽しそうだから”って言うんだ。

君はちょっと変わってるね。」


そう言われて忍は「実は怖いのは苦手です」と言うと新庄は声を上げて笑った。


「ちなみに誰の記事が良かったか覚えているかい?」

「はい、ニコール・ウィッシャ-さんの書かれた記事がとても!」

「ああ、彼か…変わり者でね…」


“彼”?


新庄の言い間違いだと思い、敢えて忍は聞き流した。


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