とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
『今回はあくまでも偵察だ。噂のモンスターの正体を確かめる。』
『わかってないのか…』
『噂だと“黒い何か”としかわからない。でもそんなものが突然現れるのはおかしい。』
シンディは右京が着たコートの丈を確かめながらニックの言葉に頷いた。
『前から目撃例は何度かあったんだけど、最近襲われたって話も聞くようになったわ。』
『ただの“使い魔”だと思うんだが…
問題は悪魔の放った“使い魔”なのか、シャーマンが放ったものか…』
『どちらにせよ、ソイツの正体を確かめて消さないと…だろ?』
虎太郎の言葉に『その通り!』とダンは力強く言った。
『まかせろ。
人間に害を及ぼすヤツらは許さない。』
ダンに応えるように右京も力強くそう言った。
そして、月が少し雲で隠れる夜の街へ繰り出したのだった。