とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~


缶コーヒーを飲み干すと右京はゴミ箱に空き缶を投げ入れ、空を見上げた。


「雪…降りそうだな…」

「ホント…今日寒いもんね~」


そう言いながらやっと缶コーヒー飲み干した忍が立ち上がると二人並んで歩き出した。


雪が積もったら雪ウサギを作るんだとか、そんな話をしながら家に帰った。



一通り荷物をしまうと、忍はスケジュール帳を取り出し大晦日の予定を書き込んでいた。


右京はそれを覗きながら黒い羽根が挟まれているのに気付いた。


「これって俺の羽根?」

「そうよ。綺麗でしょ?」

「こうやって昼間見る事ないから不思議な感じ…」


それは日の光に晒すと銀色に輝いた。


「ちょっと右京の匂いがするの。」

「…匂いって…忍エロい…」

「はぁ!?意味わかんない。

微かに右京の香水の匂いがするでしょ?」


香水の匂いか…







匂い…



これは何の匂いだ?



そこで急に頭が冴え飛び起きた。


部屋中が真っ白な煙りが立ち込め、何も見えないが朝日が差し込んでいたので朝であることは分かった。


窓に目をやるとベランダへの窓が開いていて、そこから中に煙が入って来ていた。

部屋にはアランの姿は既にない。

そしてこの煙が誰の仕業か直ぐに見当が付いた。


「あんの野郎!!」


ベランダに出るとフェンスに扇風機がくくりつけてあり、手前でマイケルが火を焚いていた。


『ゲホゲホッ…やぁクロウ!
今日もいい天気だね~』

『てめー…殺す気かぁ~!?』





そうして、また新しい1日が幕を開けた…




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