とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~



アランはソファに座ったまま虎太郎を見据え『幾つかまだ分からないんだが』と口を開いた。


『クロウはいつ戻るだろうか?』

『さぁ…すんなりサリエル様との会見で事が済めばいいんだけど、上の指示で動いてるとすれば長引くかも…』

『上って神様って事?』

『それだとウリエル様でもどうにも出来ないかもしれない。

これは憶測だけど、サリエル様に指示をしたのはラファエル様だよ。』

『わかるように説明してくれないか?』


混乱気味のダン達に虎太郎は頷くと説明しだした。


『七大天使って知ってるかい?』

『ああ…だが色んな説があるよな…』

『四大天使はラファエル、ミカエル、ガブリエル、そしてウリエル…だったわよね?』


シンディの言葉に頷いて虎太郎は更に続ける。


『その四大天使の下に3人の天使が居るんだ。

ザドキエル様、サンダルフォン様、そしてサリエル様だ。』


その一人一人にはウリエルが“黄泉の門番”をしているように役目がある。


サリエルの役目は“天使と人の霊魂の監視”である。

罪を犯した天使は堕天し、また人間の場合はその穢れた魂を手にした大鎌で狩るのだ。


いわば“死刑執行人”である。


だが、サリエル自身もとある罪を犯し、自ら堕天したらしい。

そういう意味ではウリエルとサリエルはよく似た境遇だと言えよう。


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